手術、処置と再発
再発を繰り返している場合、再発率が非常に高いので、
症状が軽くても手術を勧められることがあります。
受験や仕事の大事な時期に重度の気胸を起こして
台無しにしないようにという、予防的な考え方だと思います。
予め予定を組んでからの手術であれば1週間前後の入院で済むので、
休み期間中を利用したり、特別な行事が入っていない間に休みを取って
手術するという選択をする方も珍しくないようです。
手術、処置
- 胸腔ドレナージ
- 内視鏡手術
- 開胸手術
- 胸膜癒着術
- カバーリング法
胸に小さな穴を空け、管を通し、陰圧によって胸腔に溜まった空気を体外に
排出し、肺を元の状態まで膨らませる処置のこと(局所麻酔)。肺を急激に
膨らませるせいか、私の場合強い吐き気を催すため、苦手です。
現在、最も一般的。胸に3箇所前後、1cm程度の穴を空け、カメラや器具を挿れて手術を行います(全身麻酔)。
傷口が小さい分回復が早く(数日~1週間)、患者への負担が軽いと
され、傷跡も小さく済むため、美容的にも優れている。
但し、カメラで見られる範囲に限りがあることや、場所によっては切除が
困難なこともあるそうです。
胸を10cm以上切開する昔からの手術(全身麻酔)。術後の痛みが強く、
10日以上の入院が必要。今でも、処置すべき箇所が多い場合、
広範な場合、内視鏡手術が困難な場合、などに選択されるようです。
薬を使ってわざと炎症を起こし、肺表面と胸壁の内面側を癒着させて
気胸が起こらないようにします。
癒着に失敗することもあり、癒着術を行って再発した場合、癒着によって
ドレーンや胸腔鏡手術が困難になることもあり、開胸手術を選択せざるを
えなくなる可能性が高く、現在では避けられる傾向にあるようです。
また、体験談を聞く限り、患者側の視点として、
相当辛い思いをするようです。
手術による効果が薄い場合や、何らかの理由により手術が困難な場合に
選択されるようですが、この処置を選択しようか迷った場合は、転院も
含めて十分検討した方が良いと思われます。
比較的新しい技術で、ブラを切除した肺の表面にメッシュ(網)
を張ります。
網は時間とともに肺に吸収され、肺の表面を補強してくれます。
この技術によって胸腔鏡手術でも、再発率を開胸手術に迫る、3%程度まで抑えることができるようで、管理人が手術を受けた2つの病院ともこの処置
を行いました。
技術や網の素材は病院によって違うそうなので、気になる方は事前に調べてみると良いでしょう。
再発
自然治癒の場合の再発率は約50%といわれており、再発を繰り返している場合、
さらに高くなります。
穴が空きやすい箇所(ブラ)は、自然治癒によって穴が塞がったとしても、
穴が空きやすい状態のままであることが原因です。
そのため、再発を繰り返す場合は穴が空く原因であるブラそのものを手術で
切除するわけですが、再発率は内視鏡(胸腔鏡)手術であれば5-10%、
開胸手術であれば2-3%といわれています。
但し、昨今では胸腔鏡手術について、前述の通りカバーリング法が一般的
となってきたため、胸腔鏡手術の再発率をより抑える(3%程度)ことが可能と
なりました。