⑤初ドレナージ

病院到着後、症状を受付で説明するとすぐに酸素濃度計を指に挟んでもらい、
酸素が不足気味であることが分かり、車椅子に乗せられました。

相変わらず座っていてもグロッキーです。

酸素濃度計では健康、あるいは気胸の症状が軽ければ座っている状態なら
90%後半の数値が出るのですが、この時は90%を切っていたと思います。

後で親父にも言われたことですが、この位であれば
遠慮せずに救急車を使うべきと看護師さんに言われました。

症状が重いせいか、他の患者さんの前に割り込んで順番を入れてくれたようで
レントゲンを撮った後すぐに診断となりました。

今回の再発では右の肺がぺしゃんこになってました。
患者の意見を聞くまでもなく、入院してすぐ処置しなければ、
とお医者さんに言われました。

点滴を撃ってもらい、部屋の準備の間少し待機していたのですが、
事前に調べていたドレーンによる処置や手術のことなど、
色々嫌なことを考えました。

やがて病室に運ばれ、ネガティブにボーっとしていたら
すぐに3人お医者さんが1台ガラガラ転がしながらやってきました。

大きな大学病院ではないせいか、呼吸器科ではなく、内科の先生のようでした。

「早速ですが処置を始めます」

よく見るとメスやらハサミやらがガラガラのケースの上に載ってました。

ゲッ!?いきなりですかい?しかも病室でやるんですかい!

と思いましたが言ってもしょうがないので言いませんでした。
処理の説明もあったかもしれませんが内心オロオロしていたので
あまり覚えていません。

目隠し兼血液で汚れないようにするためでしょうか、
上半身を脱ぎ、ベッドを傾けて寝かされ、大きめの布を被せられました。

この時、聞こえないようにしてくれればいいものを、
いかにも教官が生徒にやり方を教えるようなお医者さん同士の応対が
聞こえてきて、本当に困惑しました。
どうやら見習いの先生が処置をするようです。

普通なら失礼なので言えないことですが、この時は余裕がなかったし、
本当に不安になったので、「大丈夫なんですか?」などと
失礼なことを聞いてしまいました。

ベテランの先生が、「私も見ているので大丈夫です」と答えましたが
やはりベテランの先生にやってもらいたいものです・・・。

その後麻酔を胸にブスブス。最初の2発ぐらいは痛かったと思いますが、
それ以降は違和感がある程度でした。

ビビりなので麻酔を多めに打ってもらいましたが、局所麻酔なのかどうか、
意識はハッキリしており、ドレーンを通すための穴を作るために、
目隠しで見えてなかったので分かりませんがメス(?)を使っていた感触が・・・、
いかにも斬られている感じ伝わってきてとても気持ち悪かった・・・。

「終わりました」の言葉にはホッとしましたが、
布をどけてもらうと・・・、

シュープリンの隣には見慣れない機械が!

機械の正式名称は分かりませんが、胸腔に溜まった空気を外に吐き出し、
肺を無理やり元の大きさに戻してくれる、通称ドレーン君です。

こいつがしばらく僕のパートナーに・・・。
食事の時も寝る時もトイレに行く時も一緒、胸の管を通して一心同体です。

わけも分からぬまま、とりあえず早々に処置も終わり、
やれやれと一安心つこうと思っていたら大間違いでした。

しばらくして息苦しさとは違う、
圧迫感のようなものが胸にこみ上げ、凄まじい吐き気が襲ってきました。
個室であればうめき声を上げたかったぐらいです。

看護師さんに聞いたら、どうやら萎んだ肺を、ドレーン君が
圧で急激に広げようとしているからだそうです。

圧力を少し弱めてもらうようお願いしましたが却下されてしまいました

点滴に吐き気止めをいれてもらいましたがそれでも吐き気は
全然治まりませんでした。

恐らく時間にして1~2時間位だったのだと思いますが苦しい時というのは
凄まじく時間が長く感じるもので、
個人的には気胸で辛い内容のTOP3に入ったと思います。

かくしてシュープリンの初入院生活が始まりました・・・。

→続き”⑥入院生活と手術の話”

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