子どもの自然気胸 再発心配
新生児にも気胸が起こることがあるようですが、
新生児の気胸は特有であるそうです。
引用元【子どもの自然気胸 再発心配 特集・福井のドクター相談室 福井のニュース :福井新聞】では以下のように説明されていました。
3歳の息子は、生まれてすぐ自然気胸になり入院しました。気胸は再発すると聞いたので心配です。予防法や生活の注意点を教えてください。(坂井市、女性)
【お答えします】 井手 見名子県立病院小児科医長
!肺が破れ空気が漏れた状態
「気胸」とは肺の一部が破れ、「胸腔(きょうくう)」という肺の外の空間に空気が漏れた状態のことです。事故やけがなどの明らかな原因がなく、突然起きる気胸を「自然気胸」といいます。さらに自然気胸は、肺自体に異常があるために起きる「続発性自然気胸」と、特に原因になるような肺の異常がなく起きる「特発性自然気胸」があります。
生まれてすぐの赤ちゃん(新生児)と、それ以外の年齢では少し状況が違いますので、ここでは新生児期の気胸について主にお話させていただきたいと思います。
!肺が正常なら再発リスク低い
まず、ご相談のお子さんの場合は「生まれてすぐに自然気胸を起こした」とのことですので、新生児期の自然気胸と思われます。新生児期の自然気胸は、肺に特別な異常のない赤ちゃんで起きることが多く、全出生児の1~2%で認められるといわれています。
通常、赤ちゃんは元気な産声を上げて生まれてきますが、そのときに初めて大きく息を吸って肺を広げて呼吸を行います。この最初の呼吸でうまく肺全体に空気が入り、肺が広がれば問題ないのですが、さまざまな理由で肺全体に空気が均一に入らず、一部が広がりすぎてしまい、肺が破れて気胸を作ることがあります。
また、自分で呼吸が十分にできない未熟な赤ちゃんの場合は、人工呼吸が必要になることがあり、そのときに肺の一部が破れて空気が漏れ出し、気胸になることもあります。
新生児期の自然気胸は、特に肺自体の異常がなければ、再発することはほとんどありません。
!新生児以外は短期で再発も
参考までに、新生児期以外の一般的な自然気胸の再発に関して述べます。初めて気胸を起こしてから1年以内に再発する場合が多く、その後は時間がたつにつれ、徐々に再発リスクが下がります。
ご相談には、現在まで通院されているという記載がないので、特別な肺の疾患は指摘されていないと推測されます。また、新生児期に気胸の治療が完了してから既に3年経過しており、一般的な気胸であっても再発リスクが徐々に低下してくる時期と思われます。特別心配せずに過ごされてよいと思います。
あえて注意点を挙げるとすれば、急な胸痛や息苦しさなど気胸が疑われるような症状が出現した場合には、速やかに医療機関を受診されることをお勧めします。